手塚治虫『アドルフに告ぐ』をご紹介

膨大な数の作品があふれる昨今。
私たちは何を読むかを決めるとき、その時間を使って読めるはずだった別の作品を読まないことも選択している。
短い人生、なるべく面白い作品に出会えるように人からの影響バンバン受けてこ!

これはものすごいマンガです。マジ。
ボリュームは一巻が約300ページ×4巻、
面白すぎたので読了時間は半日!!
(わたしはマンガを読むのがかなり速いほう)

↓まとめて

こんな人におすすめ
・アツい教養マンガが好き
・第二次世界大戦のことを勉強って感じじゃなく知りたい
・手塚治虫のストーリー構成力のすごさを感じたい

これを読むと
・ユダヤ人についての新たな知見が得られる
・国家、人種って何?と本当に考えさせられる
・人間のほとばしるアツさを感じられて明日を生きる力がわく

私は図書館で予約して借りて読みました。東京の図書館ってマンガ借りられます。最高です。
もしも買うときは、最後まで読みきらないといけないタイプの作品なのでまとめ買いを絶対におすすめします!!
リンクは記事の終わりにあるよ。

さてさて(*’▽’)軽くネタバレもありますが、ほんとに作品を読むことに比べたら感想文なんてゴミカスなので気にせずお進みください!

ストーリー
色々な方が解説してくださっているので手短にまとめます。
舞台は基本的に1938年~の日本の神戸が中心で、ベルリンも出てきます。
峠草平という日本人の記者が本作の狂言回しです。

パン屋の息子でユダヤ人のアドルフ・カミル
ナチ党員の息子アドルフ・カウフマン
そしてナチの総帥アドルフ・ヒトラー

この三人のアドルフが、ヒトラーの出生の秘密が記された「文書」を巡って運命を交わらせていきます。
その「文書」をめぐる騒動に人生を巻き込まれた峠草平とともに時代は動き、物語は進行します。

素晴らしいところ
三点あげます。

①登場人物ひとりひとりが矛盾を抱えながらも力いっぱい生きている
これは手塚治虫作品の魅力だと思います。本作の主要キャラは皆、自分の生まれ育った具体的な環境を強いバックグラウンドとして持ち、
ときにはそれに苦しめられながらももがき、自分なりの正義に従って生きようとしています。
たとえばナチ党員の家に生まれ育ったアドルフ・カウフマンは、神戸でできた親友のアドルフがユダヤ人であることを
友情とイデオロギーの間で強く思い悩みます。また、自身の美しい母親も、ドイツ国籍を持ってはいるがもともとは黒髪の日本人であり、
AHSでの教育が進むにつれて母を何人と考えればいいのか悩みます。
アーリヤ人の純血主義を掲げるヒトラーでさえも。
思い悩む人びとの姿からはエネルギーがもらえます。

②ストーリーが第二次世界大戦の終戦では終わらない
本作で私がもっとも素晴らしいと思った点です。
これによって、作品の質が「面白い歴史マンガ」からもう一段上に上がっています。
ナチ党員だったアドルフ・カウフマンは、ドイツが敗戦を迎えた数十年後もいまだユダヤ人の影から逃れることができず、
砂漠を彷徨うなかで出会ったアラブ人の一味に協力し、イスラエルを作ろうとするユダヤ人と戦うことを選びます。
そして、大戦中は日本の神戸においてでさえも何かと弾圧されていたユダヤ人のアドルフ・カミルは、イスラエル軍の軍人となって
今度は無名のアラブ人を殺しまくります。
人間がいる限り戦争は続くということが重みをもって読者の胸にのしかかります。

③手塚治虫の圧倒的なマンガ力(りょく)で読みやすい
誰しも言うことですが。長い年月を扱った複雑めなストーリーなのに、登場人物を詳しく描写することで構成員の立ち位置が掴みやすく、
全体として面白く読みやすい物語になっています。そもそも物語全体のボリュームも、読み応えがありつつも長すぎません。
どんな人でも一週間あれば読みきれるのではないでしょうか。
そして私は絵も大好きなんです。あんなに小さくて可愛かったアドルフ・カウフマンがとんでもない男(ハンサム)に成長していく過程、
下町の少年感たっぷりだったアドルフ・カミル(この人は関西弁を話すところも良い)が、いっぱしの頼もしい青年に成長していく過程。
また、ヒトラーの人格も含めたカリグラフィー的描写。すごいっすね。この辺は私の知識が乏しいので分かりませんが、
ヒトラーってそういう人だったのかなあと思わせるような説得力があり非常に楽しめました。絵、うまっ。

まとめ
色々と書きましたが、とにかく骨太で面白い漫画です。
わたしはこの作品に出合えて本当に良かったと思っています。なので本を紹介するという試みの第一回目に選びました。
ぜひ読んでみてくださいね。

↓1巻

↓まとめて

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